お散歩中に突然の激高をみせた飼い犬のピットブル2頭が若い女性の飼い主を食い殺すという悲惨な事故が米バージニア州から伝えられました。
雑木林をお散歩していたところ、犬たちが突然飼い主を攻撃
事故がおきたのは、リッチモンドの北西に位置するバージニア州グーチランド郡で今月中旬のこと。
22歳のベサニー・スティーヴンスさんが愛犬のピットブル2頭を連れて自宅近くの雑木林を散歩していたところ、犬たちが突然彼女を攻撃。
目撃者や救助も得られないまま体を食われるという非常に悲惨なものとなってしまいました。
『Inside Edition』などが伝えたところによれば、郡保安官事務所のジェームズ・L・アグニュー氏は記者会見で「警察官になって40年近くになる私でも、これほど悲惨な現場を目にしたことはありません」と述べたそうです。
ピットブルたちは闘犬用として飼育されていた可能性があり、ベサニーさんは最初に喉と顔を噛みつかれ、地面に倒れ意識を失ってから犬に身体を食い荒らされたのではないかとみられています。
通報者はベサニーさんの父親で、散歩から戻ってこない娘と連絡が取れないことを心配し、雑木林を捜し回るも姿が見つからないため通報。
警察はやがてベサニーさんを発見しましたが、Pac-ManおよびTonkaと名付けられた2頭はそれぞれ体重が57kgと大型で興奮も収まらないため、捕獲には数時間かかったとのこと。
動物保護局にて安楽死となる予定ですが、なぜ飼い主を襲ったのかは解明されていません。

出典;livedoor.com
犬種によっても様々な習性が
犬が動物や飼い主も含めて誰かを激しく攻撃するのは、相手をエサとしてしとめるため。
そして、自分のエサを独占したいというシチュエーションばかりではありません。
犬種やそもそもの性格、序列意識、縄張り意識、繁殖期、飼育頭数や環境からくるストレスなど原因は多岐にわたり、骨折や関節炎、病気など体のどこかに痛みを抱えていると、近づいてくる者に対して恐怖や不安から激しい攻撃性を示すこともあるといいます。
うずくまって痛みに耐えているような犬を見つけ、親切心から手を添えて噛まれてしまうようなケースはそのせいだそう。
また、そうした理由もなく、突発性の攻撃を見せる犬の場合には「スプリンガー・レイジ・シンドローム(突発性激怒症候群)」という脳神経の病気が背景にあることも。
鼻の上にシワを寄せ、ウーッと低い声で唸る「これ以上怒らせるな」といったアピールもないまま発作でも起きたかのように乱暴になり、飼い主を攻撃したその後は少しの間はボンヤリするものの、また穏やかな普段の姿に戻ります。
原因については、セロトニンという脳内伝達物質の量の低下、あるいは遺伝ではないかとの説もありますが、詳しいことはいまだ研究途中だそう。
最後に
ちなみに「ピッドブル」とは、もともと闘犬である「スタッフォードシャー・ブル・テリア」と「ブルドッグ」を交配させて誕生した最強の闘犬。
今ではほとんどのピットブルがペット用として改良されているそうですが、しつけの仕方を誤ると、飼い主のコントロールが効かなくなる飼育難易度が最高ランクに高く、国や地域によっては厳しく規制されている犬種なのだとか。
他人に危害を加えてしまったり、今回のような痛ましい事故が起こらないようにする為にも、飼う前にその犬種の特徴などをしっかりと理解した上で迎え入れたいですね。
飼い主の女性のご冥福をお祈り申し上げます。